本当に覚えられるフラッシュカードの作り方
フラッシュカードって、本当に効果があるの? ほとんどのカードは、実は役に立っていません。その理由を説明します。
100円ショップで買った単語カード、リングでまとめた厚紙のカード。たぶん、どこかにあると思います。真面目に復習しているのに、いざ英語で話しかけられると、言葉が出てこない。
多くの人がやっている「表に英単語、裏に日本語訳」というカードの作り方は、脳の学び方に合っていません。私自身、日本語を勉強し始めたとき、同じ間違いをしていました。
単語を覚えて、1週間後には忘れて、時間を無駄にしている気がして。でも、「なぜ忘れるのか」を理解してから、すべてが変わりました。
この記事の内容: なぜほとんどのフラッシュカードが役に立たないのか、そして記憶の科学に基づいた「本当に覚えられる」カードの作り方を解説します。読了時間:約8分
目次
忘れないための5つの原則
この5つの原則は、記憶の研究に基づいています。テクニックやコツではなく、脳の仕組みそのものです。
原則1:記憶を「印象的」にする
脳は、つまらない情報をフィルターにかけて捨てます。「単語+訳」だけでは定着しません。でも、絵、音、自分の経験と結びつけると、脳は「これは大事かも」と判断して記憶に残します。
日本語を勉強し始めたとき、「毎日」がなかなか覚えられませんでした。でも、毎朝のコーヒーのルーティンと結びつけたら、すぐに定着しました。言葉が宙に浮いているんじゃなくて、本物の体験に結びついているから。
原則2:「怠ける」ほど効率がいい
多くの勉強法は、「繰り返せ、繰り返せ」と言います。でも、「慣れている」と「覚えている」は違います。
一度だけ、見ないで言えるようになったら、そこで止める。次に進む。脳が勝手に定着させてくれます。
原則3:「復習」じゃなくて「思い出す」
「復習」は、答えをもう一度見ること。「あ、そうだった」と思う。これは学習ではなく、確認です。
「思い出す」は、自分でテストすること。答えを見ないで、記憶から引っ張り出そうとする。この「うーん、なんだっけ…」という瞬間が、記憶を強化します。
間隔反復ツールが効くのは、「自分でテストする」仕組みだから。単語を忘れてしまう原因も、多くの場合、この「思い出す」ステップを飛ばしていることにあります。
原則4:忘れかけたときがチャンス
フラッシュカードは、「忘れそうになる直前」に見ると最も効果的です。覚えたばかりでもなく、完全に忘れた後でもなく、ギリギリ覚えているあのゾーン。
今日覚えて明日復習しても、まだ新鮮すぎます。でも1週間後、「あれ、なんだっけ…あ、そうだ!」となる瞬間。この体験が、詰め込み勉強の何倍も効率よく記憶を定着させます。
原則5:思い出すたびに、記憶が強くなる
何かを思い出すとき、古い記憶をそのまま取り出しているわけではありません。実は、その記憶を「書き直して」強化しています。
だから、忘れたときはチャンスです。思い出そうとして失敗して、すぐに正解を見る。この体験が、記憶を蘇らせて強くします。
間隔をあけて何度も思い出すのが効くのは、このせい。何週間、何ヶ月かけて思い出すたびに、記憶が強くなります。
実際にやるとこうなる
「destination」という単語を例にしてみましょう。ほとんどの人は、こんなカードを作ります:
カードの表: destination / カードの裏: 目的地
5つの原則のどれも使っていません。記憶フックがない、テストになっていない、自分の生活とつながりがない。ただの訳のマッチングで、本当の記憶にはなりません。
代わりに、こうしてみてください。カードの表に「destination」と書きます。裏には、簡単な地図を描きます。出発点 → 矢印 → 自分が本当に行きたい場所。沖縄?東京?どこでもいいです、自分が行きたい場所。
なぜ効くか:自分で描いた(視覚+運動記憶)、自分が行きたい場所(個人的なつながり)、「destination」が本物の体験に結びついている(原則1)。「destination」という単語を見たとき、その場所を思い出して、意味が定着します。
「destination」がしっかり覚えられてから(1週間ほど練習して)、文に進みます:「I want to go to Okinawa. Okinawa is my _______.」1枚につき1つの単語は守りつつ、文脈の中で思い出す練習。
50回繰り返すんじゃなくて、見ないで言えたら次へ、別の文脈で戻ってくる(原則2)。記憶から引っ張り出す、ただ見て確認するんじゃなくて(原則3)。
「adult」や「adjective」のような抽象的な単語は、絵があまり役に立ちません。代わりに、穴埋め文を使います:
- 「I am a child. I am not an _____.」
- 「”New” is an __. “Red” is an _____.」
文そのものが記憶フックになります。「childの反対は?」と考えて「adult」を引っ張り出す。訳を覚えるんじゃなくて、意味を理解して思い出す。
1枚につき1つの単語、答えも1つだけ。脳がそこに集中できます。
言語アプリが時間の無駄に感じるのも、このデザイン原則を飛ばしていることが多いからです。
自分でやってみよう
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覚えたい単語を選ぶ。 授業、ドラマ、会話で出てきた言葉。
どの単語から始めればいい? Gabriel WynerのFluent Forever 625単語リストは、どの言語でも最頻出の単語(代名詞、基本動詞、必須名詞)をカバーしています。研究に基づいた出発点として、効率よく学習を始められます。
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記憶フックを作る。 具体的な単語なら絵を描く。抽象的なら穴埋め文を書く。「自分のもの」にするだけ。
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1枚につき1つ。 最初のカードは単語だけをテスト。複数の知らない単語が入った文はまだ早い。
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覚えてから文へ。 数日後、単語がしっかり入ったら、文脈の中でテストするカードを作る:「Okinawa is my _______.」
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テストする、ただ見るんじゃなくて。 カードの表を見て、めくる前に答えを思い出す。この「うーん」という瞬間が学習。
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間隔をあける。 Ankiなら自動で間隔を調整してくれる。ライトナーボックスなら手動で:よく覚えているカードは復習頻度が下がり、苦手なカードはすぐ戻ってくる。どちらでも効くのは、モチベーションよりシステムが大事だから。そして毎日の復習を習慣として定着させるなら、タイニーハビッツのガイドで、カード練習を無意識のルーティンにする方法を紹介しています。
最後に
これが、私の教え方です。
フラッシュカードでも、文法でも、会話でも—すべてのレッスンで、この原則を使っています。脳が本来持っている学び方に合わせて、英語をサポートするのが私の仕事です。
このアプローチが「探していたもの」と感じたら、実際のレッスンでどう進めるか、体験してみてください。